お風呂の頑固なカビ取り8STEP|掃除後のカビ予防法まで徹底解説
「お風呂に頑固なカビが発生してしまい、いくらこすっても落ちなくて困っている」
「お風呂掃除はしているつもりなのに、至るところにカビが生えてしまった。しつこいカビを取る方法はないのかな?」
お風呂にカビが発生してしまい、掃除をしても落ちないとお悩みの方も多いのではないでしょうか。
カビは一般的な汚れとは異なり根があるため、軽くこすった程度ではなかなか落ちません。また一度発生すると、どんどん広がってしまう場合もあります。
実は浴室は「カビの発生条件」が揃いやすく、家の中でも特にカビが発生しやすい場所です。
お風呂のしつこいカビを取り除くには、適切なカビ取り剤を使用して掃除を行うほか、ラップを使用したパックが効果的です。
ラップパックは、その名の通りラップを使用したカビ取り方法です。カビ取り剤を吹きかけた上からキッチンペーパーやラップで覆ってパックし、数十分放置した後に洗い流します。
ただ単にカビ取り剤を吹きかけた際と比較すると、以下のような違いがあります。
カビにぴったりとカビ取り剤が密着するため、カビ取り剤を吹きかけてカビを取るよりも、根の深いカビまで落ちやすいことが特徴です。
この記事では、お風呂のしつこいカビを取り除くため、以下のような内容について詳しく解説します。
この記事でわかること
● 適切なカビ取り剤の選び方
● お風呂のしつこいカビを取り除くラップパックのやり方
● 天井やエプロン内のカビ取り方法
● お風呂のカビ取りを楽にするカビの予防法
除去方法だけでなく、その後の掃除が楽になるカビ予防法についても詳しく解説しますので、お風呂のカビでお悩みの場合はぜひ最後までご一読ください。
目次
1.お風呂のしつこいカビ取りにはラップパックが効果的
お風呂のしつこいカビ取りには、サランラップやキッチンペーパーを使用した「ラップパック」がおすすめです。
ラップパックが効果的な理由は、カビにカビ取り剤を密着させ、根本からカビ菌を分解するためです。カビ取り剤を使用しているのに落ちない、しつこいカビにも効果を発揮します。
そうは言っても、「本当に効果があるのかな?」と思いますよね。
まずは、カビ取り剤だけではカビが落ちない理由や、ラップパックの特徴について解説します。
1-1.カビ取り剤を使ってもカビがなかなか落ちない理由
ドラッグストア等で販売されているカビ取り剤を試してみたものの、
- なんだか落ちきっていないような気がする
- 思ったよりきれいにならなかった
と感じている方も多いのではないでしょうか。
発生から時間が経ったしつこいカビは、カビ取り剤を吹きかけた程度では落ちないケースもあります。
カビ取り剤を吹きかけてもカビが落ちきらない理由は、カビ菌が完全に分解されていないためです。
カビは細かい根を張っているため、すぐにカビ取り剤を洗い流すと、奥に根を張ったカビ菌まで分解することができません。表面的にはきれいになっても、またすぐにカビが発生することもあります。
そのためカビ除去の際には、カビにカビ取り剤を浸透させて、根本からカビ菌を除去する必要があるのです。
カビ取り剤を吹きかけただけでは「カビにカビ取り剤を浸透させる」ことが難しいですが、ラップパックを用いれば、簡単に根本のカビ菌まで分解できます。
ラップパックは、手軽にカビを根本から取り除く、最も効果的な方法と言えるでしょう。
1-2. 様々なカビ取り方法の中でもラップパックが効果的な理由
「そうは言っても、カビ取りの方法って他にもあるのでは?」と思うかもしれません。
もちろん、カビ取りにはラップパック以外にも、様々な方法が存在します。
以下の表は、4つのカビ取り方法の「効果・手間・コスト・特徴」についてまとめたものです。
効果 | 手間 | コスト | 特徴 | |
ラップパック(塩素系漂白剤使用) | ◎ | ◯ | ◯ 300円程度 |
カビにカビ取り剤が密着して落ちやすい |
カビ取り剤(塩素系漂白剤)のみ | ◯ | ◎ | ◯ 300円程度 |
カビの根本が残りがち |
塩素系漂白剤と片栗粉 | ◎ | △ | ◎ 200円程度 |
パッキンなどの細かい部分に塗りやすい |
重曹やクエン酸 | △ | △ | ◎ 100円〜 |
安全性は高いが落ちづらい |
ラップパックは、他の方法と比較すると特にカビ除去効果に優れており、手間もそれほどかかりません。
カビ取り剤の上からキッチンペーパーやラップで覆い、放置した後に洗い流すだけで、簡単にカビを取り除けます。
特殊な道具も必要ないため、カビ取り剤や家にある掃除道具だけで、いつでも気軽に取り組めますよ。
カビ菌を根本から分解できるため、しつこいカビだけでなく、再発を繰り返しているカビにも効果を発揮できる、とても便利な方法です。
なおラップパックの詳しい手順は、「3.お風呂のしつこいカビを取り除く8STEP」にて画像入りで詳しく解説するため、ぜひ参考にしてください。
またカビ取りの際には、手順の把握だけでなく、効果的なカビ取り剤の使用もポイントです。
カビ取り剤の選び方については次項で詳しく紹介しますので、掃除の前にぜひ目を通してみてくださいね。
2.お風呂のカビ取りには塩素系カビ取り剤のスプレータイプがおすすめ
前述の通り、お風呂のカビ取りを行う際には、適切なカビ取り剤を使用することがポイントです。
「洗剤なら何でも良いでしょう」と適当に選んでしまうと、掃除がしづらかったり、思ったような効果が得られなかったりする可能性が高まります。
しつこいカビ取りに使用する洗剤は、様々な性質・タイプのカビ取り剤の中でも、「塩素系カビ取り剤のスプレータイプ」が最もおすすめです。
ここでは、掃除用品売り場でどのカビ取り剤を購入しようか悩まないために、「性質別」と「形状別」にわけて、おすすめのカビとり剤を紹介します。
2-1.性質別のカビ取り剤の選び方
性質別に注目すると、カビ取りに使用できる洗剤は主に「塩素系・酸素系・中性」の3つに分類されます。
以下の表は、それぞれの特徴とおすすめの場所・ケース・商品の例についてまとめたものです。
性質別
特徴 | おすすめの場所やケース | 商品の例 | |
塩素系 | ● 除菌・漂白作用が強い
● 酸性の洗剤と混ぜると有毒 |
● 黒カビが特にひどい場所
● カビを確実に取り除きたい場合 |
● 「カビキラー」等の一般的なカビ取り剤
● 「ハイター」などの塩素系漂白剤 |
酸素系 | ● 塩素系に比べると除菌や漂白成分が劣る
● 塩素系よりもニオイや刺激が弱い |
● カビやぬめりが発生している場所
● 塩素系のツンとしたニオイが苦手な場合 |
● 酸素系漂白剤 |
中性 | ● ニオイや刺激がなく表面を傷めにくい | ● 軽いカビの発生場所や木製の浴槽 | ● 掃除用洗剤
● 台所用洗剤 |
上記の3つの中でも、しつこいカビ取りで特に効果を発揮するものは、塩素系のカビ取り剤です。
とは言っても難しく考える必要はなく、「カビキラー」「カビハイター」などの一般的なカビ取り専用洗剤で十分です。
ツンとしたニオイがすることが特徴で、除菌や漂白作用が非常に強く、カビ菌の根まで分解できます。
もちろん「ハイター」などの塩素系漂白剤での代用も可能ですが、カビ取り剤の方が泡タイプになっている分、掃除がしやすいです。
できれば、カビキラーなどのカビ取り剤を用意してください。
ただし塩素系のカビ取り剤・漂白剤は独特なニオイがするほか、使用時には換気やゴム手袋の着用が必要であるなど、取り扱いに注意が必要です。
塩素系と比較すると除菌や漂白成分が劣ってしまいますが、塩素系のニオイが苦手な場合や、換気が難しそうな場合は、ニオイが発生しない「酸素系漂白剤」を試してみてください。
【塩素系カビ取り剤・漂白剤はなるべく新しいものを使用する】
塩素系カビ取り剤や漂白剤を使用する際の注意点は、なるべく新しいものを使用することです。
塩素系カビ取り剤や漂白剤の主成分である「次亜塩素酸ナトリウム」には、時間の経過とともに分解され、濃度が低下していく性質があります。
そのため、購入してから時間が経っているカビ取り剤を使用すると、本来の効果を発揮できません。
「ハイター」を販売している花王の公式サイトにも以下のような記載があるとおり、購入してから3年以上経っている場合は、処分して新しいものを購入することをおすすめします。
通常、塩素系漂白剤の主成分である次亜塩素酸ナトリウムは、常温で保管されていてもゆっくりと分解し、濃度が低下していきます。
特に、直射日光のあたる場所や高温での保管では分解が進むことが、一般的に知られています。
ご購入から3年以上経過した古い製品では、次亜塩素酸ナトリウムの濃度が著しく低下している場合がありますので、ご使用はおすすめできません。
引用:花王公式サイト「花王の塩素系漂白剤で、次亜塩素酸ナトリウム0.05%、0.1%の液は作れるの?」
2-2.形状別のカビ取り剤の選び方
次に、カビ取り剤の形状に注目してみましょう。
以下の表は、それぞれの特徴とおすすめの場所についてまとめたものです。
形状別
特徴 | おすすめの場所 | |
スプレー | ● 広範囲に噴射しやすい | 浴槽や床など場所を選ばず使用できる |
くん煙
設置型 |
● 置くだけで部屋全体に防カビ成分が行き渡る | 浴室全体 ※カビ予防用 |
ジェル | ● 細かい場所に使いやすく、密着しやすい | タイルの隙間やパッキン部分 |
これからカビ取り剤を購入する場合は、まずはオーソドックスな「スプレータイプ」を購入すると良いでしょう。
泡状になった洗剤が噴射されるため、広範囲にも使用しやすく、片手で簡単に扱えます。
カビキラー
出典:amazon
カビハイター
出典:花王株式会社
もし壁や床などだけでなく、タイルの隙間やパッキン部分のカビ取りも行いたい場合には、ジェルタイプがおすすめです。
ジェルタイプはその名の通りジェル状になったカビ取り剤のことで、スプレータイプと比べると液垂れしにくく、垂直な面や細かな部分にも塗りつけやすいです。
よって、タイルの隙間やパッキンにカビが発生している場合など、細かな場所のカビを除去したい場合は、ジェルタイプもあわせての購入が効果的です。
かびとりいっぱつ
出典:鈴木油脂工業株式会社
【形状別】カビ取り剤の選び方
● 床や壁などの広範囲のカビ取りをしたい→スプレータイプのみでOK
● タイルの隙間やパッキンのカビを取りたい→ジェルタイプも購入
カビ取りをしたい場所によって、どのカビ取り剤を購入するか選んでみてください。
【くん煙タイプや設置型はカビ除去ではなく、カビ予防用】
くん煙タイプや設置型はカビ取りではなく、カビの予防用の製品です。
煙を充満させることで防カビ成分を浸透させ、カビの発生を防止します。
そのため、くん煙タイプはカビ取りには使用できませんので、カビ取り時には「スプレータイプ」または「ジェルタイプ」を購入してください。
なおくん煙タイプを使った予防法は「6.お風呂のカビ取りを楽にするカビ予防法」で詳しく紹介しますので、こちらもぜひ参考にしてください。
3.【基本編】お風呂のしつこいカビを取り除く8STEP
先程も少し紹介したとおり、お風呂のしつこいカビを取り除くには、サランラップやキッチンペーパーを使用したパックが効果的です。
以下の手順に沿って作業を行い、カビ菌を徹底的に取り除きましょう。
お風呂のしつこいカビを取り除く8STEP
- 道具を準備する
- カビが発生している場所の水気を取り除く
- カビにカビ取り剤をかける
- カビ取り剤を塗った場所をキッチンペーパーで覆う
- ラップをしたまま30分〜1時間放置する
- カビ取り剤をよく洗い流す
- 残ったカビは歯ブラシなどでこする
- 水気を拭き取る
ここからは、上記の手順について画像を入れながら詳しく解説していきます。
「基本編・天井編・エプロン編」の順番に手順を紹介するので、ぜひ全部チェックしてみてくださいね。
3-1.【STEP1】道具の準備
まずは、カビ除去に必要な道具を用意しましょう。
以下の表は、お風呂のカビ取りに必要な道具と、各道具を選ぶポイントについてまとめたものです。
必要な道具 | 選ぶポイント |
カビ取り剤 | できれば塩素系のもの・スプレータイプが便利 |
タオル | 吸水性の良いもの |
サランラップ | 一般的な台所用でOK |
キッチンペーパー | 使い捨てのもの(あまり厚すぎないもの) |
使い古しの歯ブラシ | どのようなものでも可 |
ゴム手袋 | 掃除用のもの ※カビ取り剤の付着を防ぐため |
マスク | 使い捨てのもの
※カビ取り剤の吸い込みを防ぐため |
ゴーグルやメガネ | どのようなものでも可
※カビ取り剤が目に入ることを防ぐため |
カビ取り剤以外は、普段家にあるものを使用すれば問題ありません。
ただし上記の道具は全て必要になるため、ここに書かれているものは不足なく用意してください。
【塩素系カビ取り剤を使用する場合は、ゴム手袋とマスクは必須!】
「カビキラー」などの塩素系カビ取り剤を使用する場合は、必ずゴム手袋やマスク等を着用し、カビ取り剤が肌に触れたり、吸い込んだりしないように注意してください。
先述のとおり、塩素系カビ取り剤はツンとした独特なニオイがするほか、直接肌に触れると肌荒れする可能性があります。
そのため、ゴム手袋を着用する・長袖や長ズボンを着て作業をするなどにより、カビ取り剤が肌へ直接触れないように注意しましょう。
暑いからといって、半袖や半ズボンでの作業はあまりおすすめできません。
万が一、目にカビ取り剤が飛んできても問題ないようにゴーグルやメガネもかけるようにしてください。
また作業時は戸や窓を開けたり、換気扇を回したりして、浴室内の空気を入れ替えることが重要です。
3-2.【STEP2】カビが発生している場所の水気を取り除く
次に、カビの発生部分の水気を取り除きます。
水気を取り除く理由は、水気が残っているとカビ取り剤が薄まってしまい、効果が低下するためです。
タオルやキッチンペーパーなどで、乾燥するまで水気を取り除きましょう
触っても水気を感じない程度まで、しっかりと拭き取ることがポイントです。
3-3.【STEP3】カビにカビ取り剤をかける
水気を拭き取った後は、カビにカビ取り剤をかけます。
スプレータイプであれば、カビが発生している場所を目掛けて吹きかけましょう。カビを覆うように、適量を吹きかけることがポイントです。
もしカビとり剤がうまくカビに付着しなかった場合は、画像のように歯ブラシでカビとり剤を塗り拡げてください。
3-4.【STEP4】カビ取り剤を塗った場所をキッチンペーパーで覆う
カビ取り剤をかけたら、その上からキッチンペーパーを貼り付けます。
キッチンペーパーを使用する理由は、カビとカビ取り剤を密着させるためです。
上からキッチンペーパーの重さが加わるため、ただ吹きかけた際よりも、カビ取り剤が効果を発揮しやすくなります。
キッチンペーパーをかけた後は、その上から再度カビ取り剤を吹きかけ、カビと密着するように上から軽く押さえましょう。
3-5.【STEP5】ラップをしたまま30分〜1時間程度放置する
キッチンペーパーを貼り付けた後は、上からラップで覆い、30分〜1時間程度放置します。
ラップで覆う理由は、カビ取り剤の揮発や、カビが発生している場所以外にカビ取り剤が流れてしまうことを防ぐためです。
カビ取り剤をかけてただ放置しただけでは、奥の方に根を張ったカビ菌が分解される前に、カビ取り剤の効果が薄まってしまう可能性があります。
上からキッチンペーパーとラップで覆うことで、カビ取り剤の揮発を防ぎ、根本からカビ菌を分解できるのです。
カビ菌の分解にはある程度の時間がかかるため、ラップをした後は30分程度放置して、カビ取り剤をしみこませましょう。なお何をしても取れないしつこいカビの場合は、1時間以上の放置がおすすめです。
3-6.【STEP6】カビ取り剤をよく洗い流す
時間が経ったら、ラップを取り除き、カビ取り剤をよく洗い流します。
この際注意したいポイントは、カビ取り剤を吹き付けた場所だけでなく、浴室全体をシャワーで洗い流すことです。
もし他の場所にもカビ取り剤がかかっていた場合、入浴時にカビ取り剤が肌に触れ、肌が荒れてしまう可能性があります。
また残ったカビ取り剤のニオイが入浴によって浴室中に広まり、気分が悪くなるかもしれません。
カビ取り剤を吹きかけた場所はもちろん、その周辺の壁やドアなども含め、浴室全体にシャワーをかけてよく洗い流しましょう。
3-7.【STEP7】残ったカビは歯ブラシなどでこする
シャワーで洗い流した後に、細かな隙間にカビが残っていることもあります。
このカビは既にカビ取り剤によって死滅しているため、歯ブラシ等で軽くこすり、残ったカビも取り除きましょう。
歯ブラシでこすった後はシャワーをかけて、カビをよく洗い流します。
3-8.【STEP8】水気を拭き取る
上記の作業が一通り終わったら、浴室内の水気を拭き取ります。
カビは以下のような条件で発生するため、浴室内にずっと水気が残っていると、またカビが発生してしまいます。
<カビの発生条件>
● 湿度(水分):70%以上
● 栄養素:タンパク質や油脂など
● 気温:20〜30℃
● 酸素
せっかく取り除いたカビの再発を防止するためにも、作業が終わった後は、タオルで浴室全体の水気を取り除きましょう。
【パッキンなどの細部のカビ取りも同じ方法で行う】
パッキンやタイルの隙間などのカビを除去したい場合は、「2.お風呂のカビ取りに役立つカビ取り剤の選び方」で紹介した「ジェルタイプのカビ取り剤」の使用が効果的です。
ジェルタイプのカビ取り剤はチューブ状になっており、狭い場所にも塗りやすい形状です。
手順は上記で紹介した方法と基本的には同じですが、パッキン等にはキッチンペーパーを置きづらいため、ラップで覆うだけでも問題ありません。
<細部のカビ取りの手順>
- カビが発生している場所の水気を取り除く
- カビにカビ取り剤をかける
- ラップをしたまま30分〜1時間放置する
- カビ取り剤をよく洗い流す
- 残ったカビは歯ブラシなどでこする
- 水気を拭き取る
スプレータイプのカビ取り剤と同じく、放置後はよくシャワーで洗い流し、カビ取り剤の成分を残さないように注意してください。
4.【天井編】お風呂の天井のカビ取り手順
ここまでラップパックを使用したカビ取り方法を紹介しました。
しかし上記の方法は洗剤を吹きかけたり、ラップで覆ったりする必要があるため、天井などの高い場所に発生したカビは取り除けません。
天井に発生したカビは、フロアワイパーを使って、カビ取り剤を慎重に塗り拡げながら作業をする必要があります。
天井のカビ取り方法は「3.お風呂のしつこいカビを取り除く8STEP」とは方法が異なる上、カビ取り剤が顔にかかる恐れもあるため、事前に作業方法や注意点を把握しておくことが重要です。
お風呂の天井のカビを取り除く4STEP
- 道具を用意する
- 天井の水気を取り除く
- フロアワイパーを使って天井全体にカビ取り剤をつける
- 何度も水拭きをする
ここでは上記の作業について、詳しく解説します。
4-1.【STEP1】道具を用意する
まずは、必要な道具を用意しましょう。
「3.お風呂のしつこいカビを取り除く8STEP」で紹介した道具と異なる部分は、「フロアワイパー」です。
フロアワイパーは天井にカビ取り剤を塗り拡げるために使用します。
「無いものがあっても大丈夫でしょう」と思わず、以下の道具は、必ず全て用意してから作業に取り組んでください。
必要な道具 | 選ぶポイント |
カビ取り剤 | できれば塩素系のもの・スプレータイプが便利 |
フロアワイパー | 軽く伸縮可能なもの |
ドライシートとウェットシート | フローリング掃除用のものでOK |
タオル | 吸水性の良いもの |
ゴム手袋 | 掃除用のもの ※カビ取り剤の付着を防ぐため |
マスク | 使い捨てのもの
※カビ取り剤の吸い込みを防ぐため |
ゴーグルやメガネ | どのようなものでも可
※カビ取り剤が目に入ることを防ぐため |
4-2.【STEP2】天井の水気を取り除く
最初に、天井の水気を取り除きます。
先程も紹介したとおり、カビ取り剤をつける場所が濡れていると、成分が薄まり効果を発揮しづらくなります。
天井が濡れている場合は、ドライシートを取り付けたフロアワイパーで拭き取り、水気を切りましょう。
4-3.【STEP3】フロアワイパーを使って天井全体にカビ取り剤をつける
次に、フロアワイパーを使って、天井全体にカビ取り剤をつけていきます。
フロアワイパーを使用する理由は、天井に直接カビ取り剤を吹きかけると、顔や身体にカビ取り剤がかかる可能性が高く、非常に危険なためです。
以下の手順に従って、カビ取り剤が飛び散らないように注意しながら作業を進めてください。
<天井にカビ取り剤を塗る方法>
- フロアワイパーにドライシートを取り付ける
- ドライシートにカビ取り剤を吹きかける
- フロアワイパーを使い、天井全体にカビ取り剤をつける
- 20分程度放置する
カビ取り剤を塗った後は、20分程度放置します。
なおカビ取り剤を天井に塗った後は、浴室内がカビ取り剤のニオイで充満し、気分が悪くなることもあります。
窓やドアを開けながら作業を行うだけでなく、作業中に気分が悪くなった場合は、浴室から出て新鮮な空気を吸ってください。
4-4.【STEP4】ウェットタイプのシートでカビとり剤を拭き取る
時間が経った後は、ウェットタイプのシートをフロアワイパーに装着し、カビ取り剤を拭き取ります。
この際注意したいポイントは、最低でも2回は拭き取り作業を行い、カビとり剤の成分を残さないことです。
シャワーで洗い流すとカビ取り剤を含んだ水が落ちてきてしまいますので、なるべくフロアワイパーや濡れたタオルなどで拭き取ってください。
最後に乾燥したドライシートで、天井全体の水気を拭き取ったら作業完了です。
5.【エプロン編】お風呂のエプロンのカビ取り方法
ここまで、お風呂の床や壁・天井等に発生したしつこいカビの除去方法を紹介しました。
ただしお風呂には、普段は目につかないけれど、実は大変多くのカビが発生している場所があります。
それは、浴槽の前面にある「エプロン」です。エプロンの内部は湿気が充満しており、大変カビが生えやすい状態となっています。
エプロンは普段開ける機会が少ないものの、いざ開けてみると、「こんなにカビが!?」と驚くほどカビが発生したり、汚れが溜まったりしているケースが多いです。
この機会に、エプロンのカビ除去もあわせて行ってみましょう。
お風呂のエプロンのカビを取り除く5STEP
- 道具を用意する
- エプロンを外して汚れを洗い流す
- カビ取り剤を吹き付けて放置する
- シャワーでよく洗い流す
- 落ちない汚れをこすり落とす
- 内部をよく乾燥させてからエプロンを戻す
5-1.【STEP1】道具を用意する
エプロンのカビ取り時も、先程紹介した道具と同様のものが必要になります。
特別な道具などは必要ありませんが、エプロン内部は奥まっており掃除がしづらいため、柄の長い掃除用ブラシがあると便利です。
またひどいカビを除去するため、塩素系のカビ取り剤を使用することになります。ゴム手袋やマスクなど、身を守る道具も忘れずに用意しましょう。
必要な道具 | 選ぶポイント |
カビ取り剤 | できれば塩素系のもの・スプレータイプが便利 |
柄の長い掃除用ブラシ | 柄が長く、エプロンの奥まで届くもの |
掃除用スポンジ | 一般的な掃除用スポンジでOK |
キッチンペーパー | 厚すぎないもの |
ゴム手袋 | 掃除用のもの ※カビ取り剤の付着を防ぐため |
マスク | 使い捨てのもの
※カビ取り剤の吸い込みを防ぐため |
ゴーグルやメガネ | どのようなものでも可
※カビ取り剤が目に入ることを防ぐため |
5-2.【STEP2】エプロンを外して汚れを洗い流す
最初に、エプロンを外して内部に溜まった汚れをシャワーで洗い流します。
エプロンの外し方はお風呂のメーカーによって異なりますが、端に手をかけて手前に引いたり、持ち上げたりすると外れるケースが多いです。
ただし場合によってはエプロンを外すことを推奨していないメーカーもあるため、詳しくは取扱説明書の確認をおすすめします。
エプロンを外した後は、隙間にシャワーをかけて、中に溜まった汚れを洗い流します。
エプロンの内部にはカビや泥のような汚れが溜まっており、驚くほど汚れていることもあります。まずはシャワーをかけ続け、大まかな汚れは全て洗い流してしまいましょう。
また奥の方に溜まっている汚れは、掃除用ブラシを使ってかき出します。
5-3.【STEP3】カビ取り剤を吹き付けて放置する
次に、カビ取り剤を全体に吹き付けて、30分程度放置します。
エプロン内部は普段ほとんど掃除をしないため、カビが大量に発生しており、少しこすった程度では落ちない可能性が非常に高いです。
そのため、カビ取り剤を全体にスプレーして、奥深くまで入り込んでしまったカビ菌の根まで分解します。
本来は、一旦水分を拭き取ってからカビ取り剤をスプレーする方が効果的ですが、水分の拭き取りをためらう程カビが発生しているケースも多いです。
そのため一度だけでカビ取りをしようとせず、まずはカビ取り剤を吹きかけて様子を見ましょう。
5-4.【STEP4】シャワーでよく洗い流す
時間が経った後は、吹きかけたカビ取り剤をシャワーでよく洗い流します。
カビ取り剤の成分が残っていると、入浴中に気分が悪くなるなどの原因となってしまいます。
隙間にもしっかりとシャワーをかけて、カビ取り剤を洗い流しましょう。
5-5.【STEP5】落ちない汚れをこすり落とす
シャワーでカビ取り剤を落とした後にも、汚れが残っている場合があります。
シャワーで流せなかった汚れは、スポンジやブラシを使ってこすり落としましょう。
落ちないからとゴシゴシと力を入れてこすると傷がついてしまうため、力一杯こすらず、軽くこすり落とすことがポイントです。
【カビが落ちきらない場所はパックをする】
カビが落ちきらない場所には、キッチンペーパーを使ったパックが効果的です。
「カビ取り剤・キッチンペーパー・カビ取り剤」の順番でサンドイッチ状になるようにカビ取り剤を吹き付け、カビにカビ取り剤を密着させます。
この場合も20分程度放置し、その後シャワーで念入りに洗い流してください。
5-6.【STEP6】内部をよく乾燥させてからエプロンを戻す
カビを落とした後は、エプロンを開けたままにして、内部をよく乾燥させます。
掃除をして濡れた状態のままエプロンを戻すと、内部に湿気がたまり、すぐにカビが発生してしまいます。
ここまでの手順を見て、「エプロン周辺の掃除って大変そう」と感じた方も多いのではないでしょうか。手間のかかるエプロンのカビ取りは、できればあまり行いたくないですよね。
カビの発生を防止するためには、内部を乾燥させて、なるべく湿気を逃がすことが重要です。エプロンを浴槽内に入れて浴槽全体を乾かし、内部までしっかりと乾燥させてから元に戻しましょう。
6.お風呂のカビ取りを楽にするカビ予防法
ここまで紹介したとおり、カビ取りの際には様々な作業を行う必要があるため、なるべく行いたくないものです。道具を用意する手間もかかる上に、換気などに気を使うのも大変ですよね。
しかしお風呂は家の中でも特にカビが生えやすい場所であり、放置するとあっという間にカビが発生してしまいます。
リンナイ株式会社が実施したカビに関する調査によれば、カビで悩む場所の1位は「浴室内」で、なんと84.4%もの人がお風呂のカビで悩んでいます。
「8割以上の人がお風呂のカビで悩んでいる」と聞くと、浴室内のカビの発生しやすさを実感するのではないでしょうか。
カビ取りの機会を減らし、作業を楽にするためには、普段からカビの発生を予防することがポイントです。
ここでは、カビ防止に役立つ3つの方法を紹介します。
お風呂のカビ防止に役立つ3つの方法
● 使用後は毎回、浴室全体に50度程度のお湯をかける
● 浴室を常に乾燥させる
● 防カビ剤を使用する
6-1.使用後は毎回、浴室全体に50度程度のお湯をかける
1つ目の方法は、浴室の使用後に50度程度のお湯をかけることです。
シャワーの周辺や排水口の周りなど、隅々まで熱いお湯をかけ、残った石鹸や髪の毛などを流しましょう。
ただしそうは言っても50℃のお湯はかなり熱いため、「なぜそんなに熱いお湯をかける必要があるの?」と思うかもしれません。
50度のお湯をかけるべき理由は、カビの菌は熱いお湯で死滅するためです。
文部科学省が発表している「カビ対策マニュアル」に「カビの菌糸は50℃で死滅する」との記載があるとおり、カビ菌は熱によって減少させることができます。
またお湯をかけることで、石鹸カスなどのカビの栄養素がなくなるため、以下のカビの発生条件が揃いづらくなり、カビが発生しにくくなります。
<カビの発生条件>
● 湿度(水分):70%以上
● 栄養素:タンパク質や油脂など
● 気温:20〜30℃
● 酸素
入浴後に全体にお湯をかけることで、石鹸カスなどの栄養素を洗い流すだけでなく、カビ菌を熱で減らしましょう。カビをできるだけ発生しづらくするためにも、入浴後は毎回行うことがポイントです。
6-2.浴室を常に乾燥させる
先程紹介した「カビの発生条件」にも記載があるとおり、カビは湿度が高い状態で特に発生しやすくなります。
入浴後の浴室内は非常に湿度が高く、空気がこもっているため、あっという間にカビが発生してしまいます。
お風呂から出た後は、できるだけ24時間換気をオンにするなどして、浴槽内を乾燥させましょう。
また可能であれば、浴室乾燥機を入れたり、除湿機を回したりするとより効果的です。
「浴室の電気のスイッチを切る際に、代わりに換気扇のスイッチを入れる」などの習慣をつけ、浴室の湿度を下げることを心がけてください。
6-3.防カビ剤を使用する
防カビ剤の使用も、カビの防止対策として効果的な方法の1つです。
防カビ剤とは、「2.お風呂のカビ取りに役立つカビ取り剤の選び方」でも紹介したとおり、お風呂の中に設置するだけで、カビを防止できるアイテムのことです。
置型タイプやくん煙タイプなどがあり、お風呂の中に設置するだけで、防カビ成分が浴室内の隅々まで広がります。
「置くだけでしつこいカビが予防できて、面倒な作業が減る」と考えれば、とても便利なアイテムですよね。
ドラッグストアには様々なタイプの防カビ剤が販売されていますが、市販の防カビ剤であれば、どれを選んでも問題ありません。
なお効果の持続期間は2ヶ月程度の商品が多く、500円程度で購入できます。
効果が切れる前に定期的に買い替えることで、防カビ効果を維持し、カビが発生しづらい環境を整えましょう。
おふろの防カビくん煙剤 フローラルの香り
出典:amazon
お風呂用防カビ剤 フローラル
出典:amazon
7.どうしてもお風呂のカビが取れない場合は業者への依頼も効果的
ここまで、お風呂のしつこいカビ取りを自分で行う方法や、カビの予防法を紹介しました。
ただしお風呂に発生したカビの中には、
- 発生からかなり時間が経っており、根が深くて取り切れない
- 天井や壁などの広範囲にカビが発生してしまい、どこから手をつければ良いかわからない
などのように、自分ではカビの除去が難しい場合もあります。
もし上記のように「カビがひどくて自分では無理そう」と感じた場合は、専門知識を持った業者への依頼がおすすめです。
専門業者に依頼すると聞くと、「放置しても大丈夫でしょう」「料金が高いのでは?」などと感じるかもしれません。
そこで最後に、カビを放置するデメリットや、カビ取りを依頼した際の相場について紹介します。
7-1. カビを放置するデメリットは意外と大きい
「掃除をしてこすったけど取れなかったから」「掃除は大変そうだから」とカビを放置すると、難病の発症などの、取り返しのつかないことになる可能性があります。
カビに含まれている「カビ毒」は人体に悪影響を及ぼすため、カビの放置によって、以下のような健康被害が生じるかもしれません。
- 目のかゆみや湿疹などのアレルギー症状
- 肺炎
- ぜんそく
- 皮膚炎
- 水虫などのカビが原因の感染症
日常的にカビの胞子を吸い込むことで、最悪の場合は難病を発症したり、入院による長期治療が必要になったりするケースもあります。
またカビの発生を放置した結果、カビを根絶するために壁などをすべて取り払い、スケルトン状態から大規模なリフォームすることになった家も存在します。
スケルトンリフォームを行うと、家のタイプや工事の内容にもよるものの、およそ数百万円〜数千万円の費用がかかってしまいます。
カビを放置する危険性は「カビ放置による大きすぎる代償!今すぐカビ対策すべき5つの理由」にてより詳しく紹介していますので、ぜひあわせてご一読ください。
7-2. 自分の手に負えない場合は早めの業者への依頼がおすすめ
「カビを放置しただけで、入院やリフォームが必要になるかもしれない」と考えると、カビが与える影響力の大きさと恐ろしさを感じますよね。
そのため「もし自分の手には負えない」と感じた場合は、早めに業者へ依頼することがおすすめです。
「お風呂のカビ取り」と聞くとハウスクリーニング業者への依頼を想像するかもしれませんが、カビがひどい場合は、カビ取り専門業者への依頼が効果的です。
カビ取り専門業者では、カビの対処方法や、カビが発生している場所別の最適なカビ取り方法を熟知しています。
そのため、ハウスクリーニング業者へ依頼した場合と比べて、根本からカビを除去することができるほか、再発防止もしやすくなります。
カビの発生があまりにひどい場合は、一度カビ取り業者に依頼して、カビが生えづらい状態を作り上げることが重要です。
「自分ではカビを落としきれなさそう」「カビがひどく、何から手をつけていいのか全くわからない」とお悩みの場合は、一度専門業者に依頼してみましょう。
なお料金は、カビの発生状況や作業が必要な面積によっても異なるため、無料相談や見積もりを依頼することをおすすめします。
プロの力を借りて、元のきれいな状態を取り戻しましょう。
「【Q&A】カビ取り専門業者に依頼するか迷ったらチェックすべきポイントとは?!」では、安心できるカビ取り業者の選び方について紹介していますので、業者選びに迷った際は、こちらもぜひチェックしてみてください。
8.まとめ
この記事では、お風呂のしつこいカビ取り方法を紹介しました。
お風呂は以下のカビの発生条件が揃いやすいため、家の中でもカビが特に発生しやすい場所です。
<カビの発生条件>
● 湿度(水分):70%以上
● 栄養素:タンパク質や油脂など
● 気温:20〜30℃
● 酸素
そのため一度カビが発生してしまった際には、塩素系のカビ取り剤を使用し、カビ菌を根本から取り除く必要があります。
カビ取り剤を吹きかけた上からラップで覆うラップパックを試して、カビ菌の除去を試してみてください。
またカビを取り除いた後は、カビの発生条件が少しでも揃わないようにするため、カビ防止法を普段の生活に取り入れることがおすすめです。
お風呂のカビ防止に役立つ方法
● 使用後は毎回、浴室全体に50度程度のお湯をかける
● 浴室を常に乾燥させる
● 防カビ剤を使用する
毎日入浴後に上記の防止法に取り組むことで、カビが発生しづらい環境を保ちましょう。
ただしカビがあまりにひどい場合は、自分でのカビ取りにこだわらずに、業者に依頼するのも1つの方法です。
カビはぜんそくやアレルギーなどの健康被害に直結する可能性も高いため、「自分の手には負えないな」と感じた場合には、無理をせずにカビの専門家に依頼しましょう。
この記事を参考に、あなたがお風呂のしつこいカビを取り除けることを願っています。