塗装しても直ぐカビが生えるのは塗装の下にカビがいるから!?正しいカビ対策法
リフォームやカビ取りを専門業者に依頼したにも関わらず、短期間でカビが再発してしまうことがあります。
もしそのカビの再発が塗装面だった場合、その原因は塗装の下のカビにあるかもしれません。
以前弊社にご相談いただいた事例でも、誤った対策法を行ったことによりカビが再発し、悩まれている方がいらっしゃいました。
カビは根本から除去しない限り、カビは再発を繰り返し続けます。
そのため、二度とカビを発生させたくないのであれば、正しい対策をしなければなりません。
そこで今回は、塗装面にカビが発生した場合の正しい対処方法と間違った対処方法について解説します。
正しく対処をするということは、余計な出費を減らすことにも繋がります。
塗装面のカビにお困りでしたら、是非この記事を参考にしてみてください。
この記事でわかること
- 塗装面にカビが発生した時の正しい対処方法
- カビ発生した時の間違った対処方法
- 塗装面のメンテナンス方法
- おススメの断熱塗装
目次
1.誤った施工によってカビ取りを繰り返すことになった事例
さらに2ヶ月後に再再発
再び「カビが再発している」という連絡がありました。
弊社ではこれまで数千件のカビ取りを経験していましたが、これほど短期間での再発は前例がなかったため、お客様に許可を得て塗装を剥離することにしました。
すると塗装の下にはびっしり黒カビが発生していました。
しかも塗装はこれまでに2回行われており、カビ→塗装→カビ→塗装となっていて、カビと塗装のミルフィールのような状態でした。
そのため、全ての塗装を一度剥離し手からカビ取りと防カビを行い、さらに黒カビ対策として断熱塗装を施しました。
断熱塗装は、塗装面と室内の温度差をなくすことで結露を防ぎ、カビの発生を抑制してくれます。
これを塗装し、様子を見ることになりました。
それから1年経っても再発無し
2.塗装面にカビが発生した際の正しい対処方法
2-1-1.塗装面に凹凸があるかどうか
塗装面に凹凸があるかどうかによって、カビ取り剤を吹きかけた時の液垂れに違いがあります。
塗装には以下のような特徴があります。
■表面がザラザラとした手触りの場合 → 噴霧した液剤が垂れにくい
■表面にツルツルとした手触りの場合 → 噴霧した液剤が垂れやすい
塗装された表面がザラザラしている場合、このタイプの表面は一般的に噴霧された液剤が垂れにくいとされています。
このザラザラとした感触は珪藻土のような質感に似ており、液剤を吸収しやすいために流れ落ちにくいのです。
一方で、表面がツルツルしている場合は、液剤の吸収が少なく、その結果として液剤が垂れやすくなります。
カビ取り作業を行う前には、塗装面がザラザラしているのか、ツルツルしているのかを確認することが重要です。
表面の質感によっては、使用する道具やカビ取りの方法を変える必要があります。
プロのカビ取り業者である我々も、施工前にはこの点を必ずチェックしています。
ご自身でカビ取りを行う際にも、この確認を怠らないようにしてください。
2-1-2.服装の確認
カビ取り作業を行う際の適切な服装について、重要なポイントを以下にまとめています。
これらの服装は、目や皮膚を保護し、カビの胞子を吸い込むリスクを最小限に抑えるために必要です。
- マスク
- ゴム手袋
- ゴーグル
- 長袖長ズボン
これらを身に付けることでカビ取り作業中にカビ取り剤の付着やカビの胞子の吸い込みから守ることができます。
また、漂白剤やその他の化学剤が衣服に付着した場合、色落ちする可能性があるため、色が抜けても構わない服装を選ぶようにしましょう。
■関連記事■カビ取り業者が教える!自宅でカビ取りする際の8つの注意点
2-1-3.カビの上に塗装を塗っていないかを確認
1.誤った施工によってカビ取りを繰り返すことになった事例で紹介したような事態を避けるためにも、カビが発生しているところに新たに塗装を施していないか確認するようにしましょう。
確認は以下の方法で行ってください。
塗装の膨張の確認
他の部分と比較して、塗装が局所的に膨らんでいないかを注意深く観察してください。
カビの成長により、下地の塗膜の粘着が弱まり、塗装が膨らむことがあります。
これはカビが下地に影響を与えている可能性があるため、このような兆候は注意が必要です。
経年劣化の確認
塗装が膨らんでいる場合、それが経年劣化によるものかどうかも考慮する必要があります。
特に古い建物の場合、塗装が劣化して膨らむこともあります。
以前の塗装業者に確認
確実な判断を下すためには、以前に塗装を依頼した業者に状況を確認してもらうのが最良です。
業者は以前の塗装状況を把握しており、より正確な情報を提供できるでしょう。
もし建物が築浅でこれまで塗装を行っていないと分かっている場合は、この確認の必要はありません。
もし、塗装の裏面にカビが発生していると思われる場合は、専門の業者に相談するようにしましょう。
ハーツクリーンでは無料調査を行っているので、カビの再発にお困りでしたら是非一度ご相談ください。
2-2.塗装面のカビ取り&防カビ方法
塗装の下にカビがないことを確認できたら、カビ取り作業に入っていきます。
ここでは、弊社の商品であるカビ取りマイスターキットを使用したカビ取り方法を解説します。
カビ取りマイスターキットは、実際に業者が使用している液剤を誰でも使えるように改良した商品なので、自宅でプロレベルのカビ取りができます。
また市販の塩素系カビ取り剤とは違って危険な成分は含まれていないので、水で洗い流せない場所のカビ取りにも使用できます。
そして防カビ剤もセットに含まれているため、カビ取り後に防カビするだけで、カビの再発を防ぐことも可能です。
もし市販のカビ取り剤を使用してカビ取りする場合も、これから紹介するカビ取り手順は同じです。
ただし市販のカビ取り剤は危険な成分が含まれているため、カビ取り剤の成分が残らないように水拭きする時はさらに慎重になる必要があります。
用意するもの
- カビ取りマイスター(除カビ剤、防カビ剤、カップ、刷毛)
- バケツ
- 雑巾 2枚
※カビ取りを行う前には、目立たないところに塗布して脱色などしないか確認してください。
カビ取り手順
①バケツに除カビ剤を入れて、雑巾に染み込ませる
②硬く絞った雑巾で除カビ剤を塗布する
③10~30分ほど放置する
④水拭きしてから乾燥させる
①バケツに除カビ剤を入れて、雑巾に染み込ませる
バケツに除カビ剤を入れてください。
その中に雑巾を浸して、除カビ剤を染み込ませます。
②硬く絞った雑巾で除カビ剤を塗布する
硬く絞った雑巾でカビが発生している箇所やその周りに除カビ剤を塗布していきます。
垂れ防止のため、下から上に向かって除カビ剤を塗布しましょう。
③10~30分ほど放置する
除カビ剤を浸透させるために10分~30分ほど放置してください。
④水拭きしてから乾燥させる
除カビ剤を塗布する時に使った雑巾とは別の雑巾で水拭きして、除カビ剤を拭き取ってください。
それからしっかりと乾燥させてカビ取りは終了です。
※通常は、計量カップに除カビ剤を入れて刷毛で塗布していきますが、塗装は垂れ跡がついてしまいやすいという特徴があります(下記写真参照)。
そのため、除カビ剤を雑巾に塗布することで垂れてくるのを防止することが出来ます。
<液垂れ>
<液垂れの跡>
防カビ手順
①カップに防カビ剤を入れる
②ハケを使ってカビ取り剤を塗布する
③しっかり乾燥させる
①カップに防カビ剤を入れる
キット付属のカップに防カビ剤を入れてください。
②刷毛を使ってカビ取り剤を塗布する
刷毛を使ってカビ取りした箇所に防カビ剤を塗布していきます。
垂れ防止のため、下から上に向かって防カビ剤を塗布しましょう。
③しっかり乾燥させる
防カビ剤は水拭きする必要がないため、しっかりと乾燥させて終了です。
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2-3.カビが塗装の下にある可能性がある場合
3.カビが発生した時にやってはいけない対処方法
ここまでで、カビの上に塗装したことでカビが再発を繰り返してしまうということをお伝えしましたが、塗装以外にもやってはいけない対処方法があります、
間違った判断でカビの被害を拡大させてしまう恐れもあるので十分注意してください。
3-1.カビの上から壁紙を貼る
絶対に避けるべきなのは、カビの上から直接壁紙を貼る行為です。
カビは成長する際に壁紙の糊を栄養源として利用します。
これにより、カビ問題がさらに悪化する可能性があります。
実際に、弊社のお客様の中には、カビを放置した状態でリフォームを行い、わずか半年でカビが再発してしまった事例があります。
このようにカビを適切に処理せずに上から壁紙を貼ると、後で再びカビ取りとリフォームが必要になり、結果的に余計な出費となってしまうでしょう。
3-2.水拭きする
時々お客様から「水拭きしてカビを落としてもすぐに再発する」という声がありますが、水にはカビを除菌する効果はありません。
むしろカビが好む水分を与えることになってしまいます。
水拭きによって、一時的にカビを表面から取り除くことはできるかもしれませんが、カビが死滅したわけではないため残り続けます。
そして水拭きによって与えられた水分によって成長が助長されます。
また、水拭きをすることでカビ菌が広がり、本来カビが発生していなかった清潔な部分にもカビを拡散させることになりかねないため、注意してください。
3-3.カビ取り剤を吹きかけるのみ
市販のカビ取り剤をスプレーボトルで吹きかけるだけで完了するというのは非常に危険です。
市販のカビ取り剤には水でしっかり洗い流せる場所での使用が推奨されています。
その理由は、多くのカビ取り剤に含まれる水酸化ナトリウムなどのアルカリ性の成分が、濡れた手で触れた際に皮膚を溶かしてしまうことがあるからです。
壁にカビが生じる場合、その場所は小さなお子様やペットが容易に触れることが多く、残留する成分によって健康を害する恐れがあります。
したがって、カビ取りを行った後は成分が残らないように何度も拭き取ることが重要です。
一方で、弊社で開発したのカビ取りマイスターは乾燥後に塩に変わる特性を持っているため、安全性が非常に高く設計されています。
※ただしカビ取りマイスターを使用した場合も、成分が残らないように拭き取りはお勧めしています。
4.塗装面の正しいメンテナンス方法
壁紙は、カビが侵食すると壁紙の裏に侵食し、知らない間に広がってしまいます。
それと比べると塗装は、カビが発生しても裏に侵食してくることはないので、正しく対処すれば確実に除去することは可能です。
ここでは塗装面の正しいメンテナンス方法について解説します。
4-1.カビ対策&カビ発生時の迅速な対応が大事
まずはカビが発生しないように対策をしましょう。
カビの発生を防ぐためには、以下の環境改善が効果的です。
- 温度を20℃以下に保つ
- 湿度を60%以下に保つ
- 栄養源となる水分やホコリを除去する
北側の部屋や外壁に面した壁は結露しやすく、カビが生えやすいため、これらの場所では特に注意が必要です。
部屋を除湿したり、換気したりして湿度を下げ、こまめに掃除をするようにして、カビの発生を防いでください。
■関連記事■カビ対策について5000件のカビ取りを行ったプロが徹底解説
そしてカビが発生してしまった場合は、すぐにカビ取りを行いましょう。
カビは放置すると悪化して、自力で対処できなくなることがあるため、早期対応が重要です。
また、カビ取りの後には防カビも行いましょう。
そうすることでカビの再発を防ぐことができます。
4-2.事前に防カビを行う
先ほどカビ取りの後に防カビをして再発を防ぐようにお伝えしましたが、事前の防カビ処理を行うことは更に効果的です。
できるならカビが発生する前に防カビを行い、カビの発生を防ぎましょう。
防カビ処理方法は、大きく分けて2つあります。
① 防カビ剤が配合された塗料の使用
防カビ剤が配合されている塗装は、一般的にカビの発生を抑制する効果があるとされています。
現在市場には多くの防カビ塗料が流通しており、これが主流となっています。
しかし、中にはあまり防カビ効果がない塗料を販売しているメーカーも存在します。
カビ取り業者ではない一般的なリフォーム業者の場合、防カビ剤の具体的な成分を詳細に比較検討することは少ないです。
そのため、効果が期待できない防カビ塗料を勧めてくることもあるでしょう。
勧められた塗料が本当に防カビ効果が期待できるのか、メーカーのサイトや口コミを確認し、しっかりと調べてから決めることをおススメします。
② 防カビコーティング
ハーツクリーンでは、信頼性の高い防カビ剤を用いた塗装の後、追加で防カビコーティングを施すことで、より効果的なカビ防止を実現しています。
もちろん防カビコーディングだけでも十分効果があるため、もし既に施工された塗料に不安がある場合は、弊社の防カビコーティングを試してみてください。
そして弊社はカビ取りだけではなく、リフォームやリノベーションも行っています。
現在依頼しているリフォーム業者では不安がある時など、セカンドオピニオンとして是非一度ご相談ください。
■関連記事■カビ防止には「防カビ剤」が効果的!場所別のお勧めアイテム6選
5.断熱塗装について アクシオン25・ヒートカットパウダー・GAINAの比較
断熱塗装は、その特性から多くのメリットを提供します。
例えば、日本国内でも有名な断熱塗料「GAINA」は、テレビ番組「情熱大陸」で紹介されるなど、その実績が認められています。
商品名 | アクシオン25 | ヒートカットパウダー | GAINA | ||||
初期費用(1㎏当たり) | ¥7,142 | ¥9,350 | ¥4,400 | ||||
耐用年数 | 10年以上 | 永年 | 15年から20年 | ||||
断熱性能 | 熱反射率90%以上 | 熱反射率75%から90% | 熱反射率90% | ||||
遮音性 | 最大で10㏈の減音 | 日本建築学会の標準2等級D35相当 | 約65㏈ | ||||
結露 | 防露効果あり | 防露効果あり | 防露効果あり | ||||
※アクシオン25は1㎏で約2.5㎡。ヒートカットパウダーは約25㎡(塗料と混ぜた場合)。GAINAは約2.2㎡の面積の塗布が可能。 | |||||||
※ヒートカットパウダーの断熱性能等は永年です。通常の塗料に混ぜて使用するため、塗料が剥がれない限りは効果が続きます。 |
断熱塗料のメリットとしては、以下の通りです。
- エネルギーコストの削減:
- 熱を遮断することで、エアコンやクーラーの使用頻度が減り、結果として電気代が削減されます。
- 結露防止:
- 断熱効果により、冬場の結露を防ぎ、カビの発生リスクを低減します。
- 室内環境の改善:
- 塗装が埃や臭いの原因物質の吸着を抑え、室内を清潔に保つ助けとなります。
メリットも多いですが、通常の塗料を施すよりも金額が高くなってしまう傾向にあります。
弊社では、断熱塗装に精通した指定業者を有しており、カビ取りだけでなく断熱塗装のニーズにも対応しています。
もし断熱塗装にご興味があれば、是非お問い合わせください。
6.まとめ
今回はカビの再発を繰り返す塗装面について、実際の事例を紹介しながら解説いたしました。
カビの発生は家庭内の健康と快適性に大きな影響を与えます。
ここで挙げた対策を通じて、カビの問題を効果的に解決しましょう。
- カビの原因の特定:
- 繰り返しカビが発生する場合は、塗装の下にカビが潜んでいる可能性があるため、塗装が剥がれていないかどうかを確認してください。
- カビ取りの実施:
- 自分でカビ取りを行う際には、塗装の膨張や柄の有無をチェックしてください。裏側からカビが発生している場合、塗装を剥がす必要があるかもしれませんので、専門業者に相談することをお勧めします。
- 適切なカビ取り方法の選択:
- 垂れ跡を防ぐため、刷毛ではなく雑巾を使用したカビ取り方法が効果的です。
- カビの再発防止措置:
- カビの上に塗装をすることや、水拭きすることは避けてください。これらの行動はカビの再発を促進する可能性があります。
- 定期的なメンテナンス:
- カビを見つけたら、すぐにカビ取りと防カビ処理を行うことで、将来的なコストを抑えることが可能です。
- 断熱塗装の推奨:
- 当社は断熱塗装を推奨しています。カビの発生を抑えるだけでなく、エネルギーコストの削減にも寄与します。断熱塗装に関心がある場合は、専門知識を持つ当社指定の業者をご紹介します。
これらのポイントを踏まえ、カビの予防と対策を適切に行い、健康的で快適な住環境を維持しましょう。